Netflix廃人のレビューにっき

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映画『の・ようなもの のようなもの』感想ネタバレ解説 落語モチーフの作品にハズレなしの法則。

 

タイトルにも書きましたが、昔からうっすら思っていた

「落語がモチーフの作品はだいたいハズレなしの法則」。

この作品を見て、やっぱりハズレがないなあと確信を深めたワタクシです。

 

『赤めだか』

昭和元禄落語心中』(アニメの方が好きだけど)

しゃべれども しゃべれども

ちりとてちん

 

どれも笑えて、人情に溢れて、かつ人の情けないところもリアルに描いていて、しみじみ面白い良作だ。

なんでだろう、落語自体がそういうものだから、モチーフにする作品にも影響するのだろうか?

 あらすじ&解説(ちょいネタバレあり)

舞台は東京の下町。落語家一門の出船亭に入門した志ん田(松山ケンイチ)は、師匠から、かつて一門に在籍していた弟弟子・志ん魚を探してほしいと頼まれる。

師匠は、志ん魚を気に入っている落語協会会長のご機嫌取りのため、志ん魚を再び高座に上げようと画策しますが、なかなかうまくいかず・・というストーリー。

 

故・森田芳光監督の「の・ようなもの」のその後の世界を描いたストーリーで、

縁の登場人物もたくさん登場します。

 

私は森田監督の『間宮兄弟』が大好きなのですが、その中のキャラクター?と思われるキャラも作中にちらっと登場しています。

例えば、銭湯に入るシーンで、

一瞬風呂上がりに腰に手を当てて牛乳を飲んでいる塚地がちょこっと映っていたり

一門会のシーンで、北川景子演じる師匠の娘・夕美が仲よさげにじゃれている

友人が、よーくみると、『間宮兄弟』で北川景子の彼氏役を演じた横田鉄平さんだったり!

 

 

全体としては、ゆるーく、ほっこりした調子で進んでいくのですが、

こういう映画でありがちな、「ゆるすぎてかったるい」ことは全然なく、

テンポ良くストーリーが進んでいくので見やすい作りになっています。

 

ラストシーンの、松山ケンイチの落語にはじーんとくるものがあります。

秋の夜長、間違いのない良作を見たい人にお勧めの一本。